RasPPPoEを利用したADSL接続

■RasPPPoEとは

RasPPPoEとはRobert Schlabbach氏が独自に開発したPPPoEPoint to Point Protocol over Ethernet)プロトコルです。PPPoEとは文字通り、Ethernetを経由したPPPセッションの確立を可能にするプロトコルで、主にADSLを初めとするブロードバンドインターネットの接続方式において広く利用されています。私の「ADSL奮闘記」でも少し触れています。

※RasPPPoEの v.0.96 がリリースされました(ダウンロード - 94,310 bytes

■どうしてRasPPPoEなの?

商用PPPoEソフトウェアは、私の知る限り2つあります。WinPoETEnterNet 300ですが、個人的な経験から、これらには重大な欠点があるようです。逆にRasPPPoEにはこれらの欠点を補いつつ、非商用目的であればフリーウェア扱いという素晴らしいものです。ちなみに、日本では東京めたりっく通信(以下めたりっく)がADSLサービスを提供しているとは既知の通りですが、SingleサービスにはTMインターネットメガアクセスと称したEnterNet 300を日本語化してめたりっく専用にカスタマイズした物を使っています(現時点で私はめたりっくのFamilyサービスに加入しているので、PPPoEPCに実装する必要はありません)。つまり、見た目はどうあれ、コアの部分であるPPPoEEnterNet 300であり、その欠点も抱えていると言うわけです。

  • eAccessを代表とするADSL業者では、PPPoEではなくPPPoAPPP over ATM)を使っています。これらのサービスでは何のRasPPPoEは利用できないのでご注意下さい。その他の業者に関する情報(使用プロトコルやクライアント)ご存知の方は、お手数ですが私の方までメールで知らせていただけると助かります。
【重要】
  • eAccessにおいて、RasPPPoEで接続できたという報告を頂きました。
  • フレッツADSLでも動作確認が取れました。安心してお使い下さい。
  • フレッツADSLでの最適MTU値は1454です。

■RasPPPoEの利点

  • プロトコルとカスタマイズユーティリティのみの実装なので、ファイルサイズが小さく(約200KB)、処理も軽い。それでいて、MTUなどのカスタマイズが簡単に利用可能です。一方、WinPoETEnterNet300は接続アプレットも含む総合ソフトウェアなのでファイルサイズは5〜6MB程度になります。

  • Windows 98/98SE/Me/2000に対応しており、Windows標準のダイアルアップを利用しているため、操作が直感的に行える。もちろん英語版のソフトですが、私はWin98/98SE日本語版およびWin2000 Professional/Server 英語版に関しては動作確認を取っています(v. 0.92)。また、Windows 2000用最新版のv.0.96では、Windows XPなど将来のWindowsへの対応を考慮に入れたアップデートを行ったようです。ただし、WinXPではPPPoEプロトコルはOSに標準で実装されています。

  • Win98SE以降サポートされた、ICSInternet Connection Sharing - インターネット接続共有)も利用できるので、ルーターがなくても複数のPCで共有が可能です(これはRasPPPoEに限ったことではありませんが)。

  • 最大の利点は、システムサスペンド(スタンバイ)やハイバネーション(休止状態)における電源周りに対応していることです。これはノートパソコンを使っている方にはもっとも重要な点でしょう。ちなみに、私が1年以上前に使っていたWinPoET v.1.0 & v.2.0では、サスペンド/ハイバネ復帰時にプロトコルが「落ちる」という状態で、かなり迷惑しました(^^; また、めたりっくのTMインターネットメガアクセスでもやはり同様の症状が出るという報告を聞きました。

このように、RasPPPoEには他のPPPoEソフトウェアに欠けているものを補い、ブラッシュアップしているように見受けられます。インストールには多少の慣れが必要ですが、大したことではありません。これからインストールとカスタマイズの方法を逐次説明していきます。

■RasPPPoE v. 0.96のインストール(Windows 2000

  • この文書は、最初に紹介したRobert Schlabbach氏の個人サイトに掲載されているReadMeファイルを参考にしていますが、必ずしも原文に忠実な翻訳ではありません。要点だけを押さえて日本のユーザーに向けて書き記したものです。質問事項に関しては、できるだけ掲示板をご利用ください(使いづらいとは思いますが(^^;)。私へのメールは構いませんが、Robert Schlabbach氏には間違っても質問のメールなどなさらないようお願いします。

  • ソフトウェアやドライバのインストールに少なからず危険を伴います。必ずバックアップを取った後にインストールして下さい。また、RasPPPoEをインストールしたことによる責任を負うことは誰にもできませんので、その点はご了承下さい。システムにPPPoEプロトコルが複数存在すると、問題が出る可能性があります。RasPPPoEをインストールする前に、既存のPPPoEソフトがあれば、完全にアンインストールして再起動してから始めて下さい。

注: すでにブロードバンドルーターなど、PPPoE対応ルーターを導入している方には必要ありません。

【重要】Windows 98 Second Editionでご利用の方へのご注意

OSにWin98SEをお使いのまずこちらのパッチを当てる必要があります。説明の内容は英語ですが、日本語版パッチもダウンロードできます。また、このパッチはWin98 Second Editionのみ必要になります。初期のWin98やWinMeでは必要ありませんので、ご注意下さい。

  1. 管理者権限を持つユーザーAdministratorなど)でログオンする。

  2. ネットワークとダイアルアップ接続を開き、使用しているネットワークカードのローカルエリア接続を指定し、右クリックでプロパティを開く。

  3. インストールを押し、プロトコルを指定して追加を押すと、リストが表示されるので、ディスク使用を押す。

  4. ウィンドウが現れたら、参照ボタンを押してRasPPPoEの解凍先を指定する。.infファイルが二つありますが、どちらを選んでも構いません(Windowsが自動で選択してくれます)。

  5. PPP over Ethernet Protocolと表示されるので決定すると、インストールが開始される。

  6. インストール途中に「デジタル署名が見つかりません」との警告が4回ほど連続で出ますが、必ず全て「はい」を押す。

  7. モデムとの接続専用に使っているネットワークアダプタにインストールした場合、セキュリティやパフォーマンスの見地から、PPP over Ethernet Protocol以外のチェックを外しておいて下さい(このアダプタにはTCP/IPをバインドさせる必要もありません)。また、モデムに接続するネットワークアダプタ以外に別のアダプタが存在する場合は、そちら側のPPP over Ethernet Protocolのチェックだけは外しておいて(アンバインドして)下さい。つまり、PPP over Ethernet ProtocolがバインドされているLANカードは一枚だけ、ということです。

これでRasPPPoEのプロトコル部分のインストールは完了です。これから接続に使うダイアルアップの作成と設定方法を説明します。

■RasPPPoE専用のダイアルアップ接続の作成

  1. スタートボタンから、ファイル名を指定して実行を開き、RASPPPOEと入力して実行する。

  2. Dial-up Connection Setupが現れるので、Query available PPP over Ethernet Services through Adapterを押す。RasPPPoEがバインドされているネットワークアダプタを選択する(上記の説明通りにインストールを行った場合、一つしかないはずなので、それを選択する)。

  3. Create a Dial-up Connection for the selected Adapterを押すと、Connection through アダプタ名というショートカットがデスクトップ上に生成されます。Exitを押して、ウィンドウを閉じて下さい。

  4. 生成されたダイアルアップ接続を開き、必要に応じてプロバイダのユーザー名とパスワードを入力する。完了したら接続ボタンを押せば、ほぼ一瞬(2〜3秒程度)でインターネットに繋がるはずです。

■RasPPPoEを使って常時接続する方法

RasPPPoEはWindows標準のダイアルアップ接続(DialUp Network - DUN)を通して接続するするため、起動時にダイアルアップを開始することができれば、仮想的に常時接続(認証作業を自動的にバックグラウンドで行う)することが可能になります。こうすることで、電源を落とすまで接続が確立されることになりますが、もちろん手動で切断/再接続することもできます。以下に「タスクスケジューラ」を使った方法を記載します(Win9x/SE/Meでは方法が異なりますが、基本的には同じです)

  1. RasPPPoEをバインドしたダイアルアップのプロパティを開き、オプションタブ以下のチェックボックスを全て外す(接続中のプロセスを表示する項目はチェックした方が良いかも知れません)。また、「再接続のオプション」以下にある、アイドル中に自動切断するまでの時間を「なし」にして、OKを押して閉じる。

  2. コントロールパネルタスクスケジューラ追加を選ぶとウィザードが起動します

  3. 次へを押すと、プログラム選択画面が現れるので、参照から以下のパスを以下のように指定する
    C:\WINNT\System32\RASPHONE.EXE

  4. タスクの名称を任意の名前に変更して(例: ADSL)、実行タブにて起動時に実行するを選択して、に行く

  5. パスワードを入力する

    (注: Win2000ではユーザー毎の設定になります。タスクを作成したユーザーでしか実行できません)

  6. 完了後に詳細を開くにチェックを入れて完了する

  7. 詳細が開いたら、実行以下で次のようにパラメーターを入力して下さい

    -d "接続名"

    例:-d "ADSL"

  8. 接続タブ以下のオプションを全てオフにして、OKを押せばタスクの設定は完了です


    以下はログオフ時にも接続を維持する方法です。任意に設定して下さい(完全常時接続には必須)

  9. ファイル名を指定して実行regeditとしてレジストリエディタを開き、以下のパスを開く

    HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon

    注: Win9x/SE/Meの場合はWindows NTではなく、「Windows」になります!

  10. メニュー編集新規作成文字列で、以下のように設定して下さい(スペルを間違えないように!)

    キー名: KeepRasConnections
    値: 1



  11. 再起動すれば、次回からログオンした時点でインターネットに接続されているはずです

※レジストリの編集には細心の注意を払い、実行前には必ずバックアップを取って下さい

■RasPPPoEの設定

LANのプロパティで表示される「PPP over Ethernet Protocol」のプロパティを開くと、RasPPPoEの設定を変更画面が現れます。ご利用のADSL業者によっては必要に応じて設定を変更してあげる必要があるので、参考にして下さい。

以下の設定の内、少なくともMTUの設定(Override Maximum Transfer Unit)は変更した方が良いでしょう。業者毎の最適MTU値は、こちらのカスタマイズページに掲載しているので参考にして下さい。デフォルトではここではPPPoEプロトコルの仕様上の最大値である、1492になっています。以下のスクリーンショットでは、東京めたりっく通信に最適な数値(1460)を入れています。チェックを外すとデフォルトに戻ります(要再起動)。

MSSLimit TCP Maximum Segment Size) の設定に関しては、インターネット接続共有を使わないのであれば、チェックを外しても構いませんが、そのままでも問題はありません(MSSに関しては、MTU & RWINのページで触れています)。

RasPPPoEの詳細設定タブ。こちらではリンク速度 (Specify Link Speed)を自由に変更できます。リンク速度とは、接続が確立されたときにポップアップで表示される44Kbps速度表示ですが、これを好きな数値に変更することによって、自己満足の世界に浸れます(笑) 以下では速度:100 Gbpsと表示されるように設定しています(^^; イベントログ (Event Logging Options)に関してはデフォルトのままで問題ないでしょう。

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