XR & RAID-1 Mirroring

デュアルHDDが可能であればRAIDもできるはず、と言うことで、ノートで初(?)となるRAID構成に挑戦してみました。

システム構成

ファイルサーバーが主な利用目的ですので、今回のRAID構成にはミラーリングを利用します。使用OSはLinuxでの構築も考えましたが、今回はやはり設定が容易なWindowsを選択しました。Windows 2000またはXPとなりますが、どちらのOSもProfessionalではRAID-0(ストライピング)のみのサポートとなりますので、自動的にServer/Advanced Server/Datacenter Serverのいずれかを導入する必要があります。

システム VAIO PCG-XR1 CPU: P3-600 | RAM: 512MB
OS Windows 2000 Server 英語版 ソフトウェアRAID-1/5(フォールト・トレラント)構築に必要
HDD IBM IC25N040ATCS05 x 2 容量: 40GB | 回転数: 5400rpm | バッファ: 8MB


ダイナミックディスク

ダイナミックディスクとは、Windows 2000よりサポートされたディスクフォーマット(ファイルシステムとは異なる)で、通常のフォーマットをベーシックディスクと呼びます。ダイナミックディスクには論理パーティションという概念が存在せず、ボリュームと言う呼称が使われ、1つの物理ディスクに対するボリューム数に制限はなくなります(ベーシックディスクには論理パーティションが4つまでしか作成できないと言う制限がある)。技術的な詳細はこのページの最後にある参考資料に譲りますが、要はWindows 2000/XPでソフトウェアRAIDを構築するのに必要(NT4では不要)なだけであり、個人的にはダイナミックディスクは余計な仕様だと思っています(^^;


ダイナミックディスクの制限

まずはダイナミックディスクにアップグレードする作業からいってみましょう。ところが、実はこれが簡単に行きません。と言うのも、MicrosoftはノートPCでのダイナミックディスクをサポートしていないからです。ACPIをサポートしていない古いノートでは一部コンバートが可能な場合があるそうですが、XRはACPI対応です。ただ、ACPIをサポートする最近のノート(GRやThinkPadなど)でもダイナミックディスクが可能なことを確認しており、この辺りは実際にはやってみないと分からないグレーな部分と言えると思います。


レジストリ編集によるダイナミックディスク有効化

上記の制限から、長い間XRでのRAIDを諦めていたのですが、実はレジストリの編集により可能になります。以下に具体的な方法を記載しますが、レジストリの編集には危険が伴います。実行前にレジストリやデータのバックアップを忘れずに行って下さい!

レジストリパス
キー名
既定値
変更後
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\dmload
Start
4
0
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\dmboot
Start
4
0

以上の修正を実行後、再起動をします。これだけの作業で、ダイナミックディスクへのアップグレードが有効になります。


ダイナミックディスクへのコンバートの実際

それでは実際にダイナミックディスクへのコンバートをやってみましょう。
注: 以下のスクリーンショットにはWindows XPの物が含まれていますが、Windows 2000でも作業は全く同じです。

ダイナミックディスクへの変換

1. ダイナミックディスクへのコンバート。 XRの場合、レジストリ編集前ではこのオプションが無効になっています。 2. コンバートするディスクを選択します。Disk 0 とは1番目の物理ディスクのことを指します。 3. コンバートするディスクの詳細と、コンバートをする確認のダイアローグが現れます。 4. OSを同一の物理ディスクにデュアルブートしている場合、変換後は他のOSからブートできなくなります。
5. ファイルシステムのマウントが外される旨の警告が出ますが、ここではYesを選択して進みます。 6. コンバートが完了すると再起動を促されます。 7. Disk 0(C:ドライブ)がDynamicとなっているのが確認できます。 8. ここまではWinXPですので、ミラーリングがサポートされておらず、選択することができません。

 


Windows 2000 Server のミラーリング

Disk 0、Disk 1共にダイナミックディスクへのコンバートが終わったら、次は実際にミラーセットの作成に入ります。

ミラーセットの作成

1. ここではボリュームがない状態から始めていますが、シンプルボリュームからのミラー作成も可能です。 2. ボリュームタイプの選択画面。RAID-5はHDDが最低3台なければ作成できません。当然Mirrored volumeを選択します。 3. ミラーリングをするディスクを選択します。Disk 0と1を選択すると、ミラーセットに割り当て可能な容量が自動的に算出されます。 4. 新規ボリュームに対する設定画面。ドライブレターなどを割り当てますが、この設定は後から変更することも可能です。
5. ファイルシステムはNTFSを、フォーマットはクイックで。なお、FATでもミラーを作ることはできます。 6. フォーマットが終わると、自動的にミラーセットの初期化が実行されます。6GBですと、10数分かかります。目安は 0.5GB/分 程度。 7. D:ドライブ(データ)のミラーが完了しました。エクスプローラで見ると、単一のパーティションとして見えます。 8. システムが格納されたボリュームをミラーにした場合は、上記のような警告が出ますが、無視しても問題なくブートするはずです。

 

 


ミラーセットの復旧

ミラーセットの作成が完了すれば、RAID構成は完了ですが、ついでにミラーセットの復旧を紹介します。ミラーセットが何らかの理由から正しく動作しなくなった場合でも、HDDが物理的に壊れていなければ、復旧作業は簡単です。ここでは、故意にミラーセットを崩して、実際の作業をシミュレートしてみます。また、おまけでTerminal Servicesのセットアップも紹介します。WinXPではリモートデスクトップが標準で搭載されていますが、Terminal Servicesはこれの強力版(と言うか、リモートデスクトップが機能限定版)です。

ミラーセットの作成+おまけ

1. Disk 1がMissingになっているのが分かります。これはHDX10を物理的に取り外した状態です。 2. ここではミラーセットをBreakしてみました。冗長性が失われた状態ですので、Disk 0に問題が生じると、システムが動かなくなります。 3. Disk 1のミラーセットを元に戻してみます。Disk 1を右クリックすると、Reactivate Diskと言うオプションが選べるのが分かります。 4. Reactivateすると、ミラーセットの再構築が始まります。ここでもやはり前述のように10数分かかります。
5. ミラーセットが元の状態に戻りました。Disk 1上の警告マークが消えて、正常動作しているのが確認できます。これで元に戻らない場合は、HDD自体/ディスクコントローラの故障が考えられます。 A. おまけでTerminal Serverの設定も紹介します。上記はサーバーコンポーネントの設定画面です。左のペインから、Terminal Servicesを選択して、コンポーネントを追加します。 B. Terminal Servicesにチェックを入れます。LicensingはApplication server modeには必要ですが、ここでは必要ありません。コントロールパネルからでも普通に追加できます。 C. Terminal Servicesの種類を選択します。Remote administration modeを選択します。同時に2つのセッションからサーバーをリモート管理することが可能になります。その後、再起動すれば完了です。

 

 


XRの最終状態

スクリーンショットが一貫性に欠けて申し訳ないのですが、試行錯誤でテスト中に集めた物ですので、お許し下さい。最後にHDDを換装して、Windows 2000 Serverのクリーンインストール、そしてシステム/データに対するミラーリングを実行しました。画像ではJ15からTerminal Services経由でXR1を遠隔操作しているところです。いや、XR本体はJ15の隣にあるんですけど(^^; これから先、サーバーとして本格稼働をさせる際には、遠隔操作が活躍することは間違いありません。それまでは勉強しながら少しずつセットアップをしていきたいと思います。まずはインターネット接続をFTTHに切り替えなければ・・・。

 

 

 


ソフトウェア・ミラーのベンチマーク

以下はHDBENCH 3.22を使ったベンチ結果です。ミラーリングでは2台同時書き込みを行いますので、その分のオーバーヘッドがそのままベンチ結果に反映される形となりました。読み込み速度が僅かに向上しているように見えますが、単なる誤差でしょう(^^;

HDBENCH 3.22 Before After Net result
Read 22328 23021 N/A
Write 21043 10328 -51%
Copy 3168 2978 N/A

いかがでしたでしょうか?意欲をそそられませんか?(ぉ この無謀とも言える試みは、あくまでXRでRAIDをしたいと言う私の個人的な意地です(^^; いえ、ファイルサーバーとしては十分以上の機能性を持っていますので、これからもバシバシ使い倒してやろうと考えています。ご意見・ご要望はJP BBS、ご質問はTech BBSの方にお願いします。



【参考資料 】

Dynamic vs. Basic Storage in Windows 2000
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;EN-US;175761

Disks That You Cannot Convert to Dynamic
http://www.microsoft.com/technet/treeview/default.asp?url=/technet/prodtechnol/winxppro/reskit/prkb_cnc_hsdc.asp

Windows 2000 ServerのソフトウェアRAIDを極める
http://www.atmarkit.co.jp/fsys/special/009software_raid/index.html

HOW TO: Set Up Fault-Tolerant Sets on Dynamic Disks in Windows 2000
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;en-us;298155

HOW TO: Mirror the System and Boot Partition (RAID1) in Windows 2000
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;en-us;302969

 

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